石蕗を手折る 縁薫アンソロ【禁書】寄稿

ここまでご覧になってくださりありがとうございます。
縁薫好き同士様にお届けできてうれしはずかしとってもハッピー!
せっかくいらしてくださったお礼に…と言えるほどではありませんが、あとがきで書き切れなかったことをつらつらうだうだ書かせていただきました。
食後のミニおやつになれば幸いです。
石蕗(つわぶき)は冬の野花で、寒さに負けず黄色い可憐な花を見せてくれます。
花言葉は『愛よ蘇れ』『困難に負けない』
えっ、縁と薫殿の関係性のためにあるんじゃない? そして可食。えっっマジマジのマジに!?

縁の愛情は巴さんに全て向けられています。けれどはかなくなられたのはご存じのとおり。
覚えている限りに作りあげた偶像を思い浮かべ、彼はたった一人で泣きます。
あったのはただ縋るだけの、人として当たり前の、肉親を失った復讐鬼ではない姿でした。
そんな姿を見たのは、縁が憎悪し仇と狙う剣心の想い人である、薫殿だけなのです。
縁が一人で生きる辛さを吐露するところを目の当たりにしてしまうと、もちろん彼の人誅を肯定するわけではありませんが、人をあるがままに受け入れる薫殿との関係を、妄想せざるを得ない的な。
一歩離れて、縁と薫殿の生きてきた時間を俯瞰してみますと、共通点の多さに驚きます。
時期の差はあれど、二人とも家族に充分に愛され、どうしようもなかった事象に奪われ、天涯孤独になった。新しい時代に信念を持って(縁は少し違いますが)生きようとしていた。
思いついただけ並べてみても、少しでも出会いが違えば、二人は結ばれていたと言っても過言ではない! …かもしれない!!
なぜなら二人とも愛し愛し返されることに、とても貪欲だからです。
縁は既にこの世にいないお姉さんから。
薫殿は親しい人々が自然に愛してくれる心優しい少女なので、単に気が付いていないのではないのかなあ、と思うのです。極端に孤独を恐れているといったほうがより近いかもしれません。
けれど薫殿は心が温かく、ちっともすれていない女の子です。薫殿はにぎやかになることを素直によろこび、年頃の女の子にしては警戒心が足りないのではと心配になるほどです。
そこへぶっこまれた二人きり孤島生活。そんなん卑怯過ぎやろ色眼鏡で見てまうやろおおお!!

という次第で、暑さの残る夏の終わりのまま、縁と薫殿がどう過ごしたかばかり考えてしまいます。
も、ほんと普通、ごく普通なのです、縁が薫殿と普通に話すようになっているのです。
私闘の最中でも薫殿の声は聞こえるということも縁はやってのけやがりました。
そんな様子がうかがえて、性質の似た者同士の間に心の機微があったのではないかと…!
るろ剣の場合、薫殿が語り部を担うことが多いです。
例の狼藉の際、薫殿は縁が似た年頃の女性は殺せないと察し、一読者であるこちらも納得しました。
けれど方法は他にもあったはずです。
あの若さで武器組織のトップに上り詰めるほどですから、場数を踏み、上手く立ち回る術を覚え、相応の風格を身につけなければいけません。それほどの努力ができるのに、どうして小娘一人殺せなかったのか。
縁は、抜刀斎とその周囲に対し、非道な復讐者を演じます。
わざわざ自分の悪辣さだけを語ってみせる必要があったでしょうか。
人誅の同志の前では従順な若造を装い、志々雄様との取引も対等にこなし、一人でいると堪えきれなく泣いてしまう。と様々な仮面を使い分けています。
その仮面をひとつひとつ取り除いていくと、残るのは、薫殿とごく普通に接していた、口が悪く皮肉屋の、修羅になりきれなかった青年ではないでしょうか。
いつから、どれくらい薫殿を調べていたか。
劇中語られることなく、外見に関する資料のみとされていましたが、斉藤さんは詳しく教えてくれる方ではありません。もしかして、万が一、縁が薫殿の境遇を鑑みていたとしたら、薫殿の解釈と、全く別の解釈も出来るわけです。
背筋をぞっとさせるほど睨んだのも、薫殿の向こうにある自分の計画の為だったら。
重箱の隅をつつく、むしろ強引な理由付けです。
共に過ごしていても、当然毎日仲良しこよしなんてことはなく、三度の食事を運ぶくらいの関わりしかなかったでしょう。
でも、ちょっと待ったヤングマン!
ここで重要になってくるのが薫殿です。彼女は心の傷を攻められない自分を甘いと言います。
それは元来心根のやさしい、過去にこだわらないさっぱりとした気性だからこそ出来ないとも言い換えられます。そこが薫殿の魅力であり惹かれてやまないところです。
だからきっと、薫殿は、薫殿にとって普通の態度で縁と接したのではないか。
分け隔てなく接してくる薫殿が、縁は全く理解できなかったことでしょう。ですが次第に、薫殿はそういうものだと受け入れた。
どこで、いつなんて、わかりません。
それでも、手の込んだ人形劇をするくらいですから、元から薫殿を殺すことは考えていなかった。
あの孤島で共に過ごすうちに、ただの少女である薫殿が、ただの青年である縁に戻してくれた。
薫殿と過ごしているうちに、普通に戻りかける自分がわからなくて、じっと眺めるのは、彼女に答えを探しているのではないか。ですが、縁が自分の中に作った姉の姿は偶像だと気付くのに、少しだけ時間が足りませんでした。
なにより薫殿にとっていちばん大切な人は、もう決まっています。
薫殿のひたむきな恋と思慕はなによりも尊重されなければいけません。

結果、試される大地において、ちょ待てよ薫殿はたしかに武家の娘さんで厳しく育てられた敬愛すべき女性だけど物分かりの良い妻になるとか聞いてない全く望んでない!!!!!
という反骨精神が、当時は萌えに燃えたものの、若輩すぎてよくわかっていなかった、あの孤島での日々に帰る理由に足りすぎました。大人になるってサイコー!
シモーヌと妹は、縁薫から好きになったのです。世間様に顔向けできませんごめんなさい!!
剣薫大正義、他は一切認めない!! と、このとおり、世間様に逆らう気持ちは毛頭ございません。
ただちょっこし、縁薫の可能性をのぞき見するだけでしたが、おおいにアピールしちゃうZE!
とパラリラパラリラしているだけなのです。ヘイヘーイ、おれっちら逆張りってるぅ!!

さて、妹とともにパラリってるわけですが、あとがきの4コマかわいくないですか!
1コマ目は暗転入滅のオマージュとのことで、まじか…あの絶望的なコマを…。
と我が妹ながら題材のチョイスに大いなるセンスを感じました!
でもいっしょにごはんたべてる。えっかわ、かわいいっ!!
実はオチの5コマ目があったのですが、バランスを揃えるため、いまのところお蔵入りになってしまっています…。いつか描いてもらうことはお姉ちゃんの中で決定事項なので、どこかで公開させていただきます。
内容の差が激しいですがちゃんといっしょに生まれた双子です。ほんとほんと、うそじゃないよ。


  • 2019.10.14