天使に恋した男の話

トップにザクエアアンソロジー告知サイトさまへのリンクを張らせていただきました。
ザックスとエアリスが大好きなので、もう、春が楽しみで楽しみで!
このシモーヌ、もちろん全力で応援させていただきますともっ。
楽しみなことがいくつもあると、ちょっぴりどきどきするような心持ちでもあります。
きっと結婚式にのぞむブッキー13世はこんな心持ちだったのだと、カブトムシに思いを馳せる次第ですはあーん。

ザックスとエアリスの、シモーヌ的ぐっときちゃうぽいんつは、やはりザックスのひとめぼれ、これです。
もともと予備知識はぎっちりなわけですから、最初の出会いはあれまああれまあという感じでした。
助けてくれたかわいい女の子に、ザックスはなんの飾り気もなく、天使? と言ってしまうのですもの。
かけひきなんて少しもなく、むしろちょっと直球過ぎな感まであるくらいです。
けれども、エアリスはなんてことなく笑って、かわしちゃうのです。(ここがほんとかわいくて!)
きっとおそらくあれで、ザックスにとって、エアリスは天使としてすり込まれたのでしょう。
笑顔がとびきりかわいく、なかなかに不思議なとこもあり、なおかつ容易に踏み込ませない雰囲気もある。
ザックスにとっての天使のイメージが、エアリスとぴったり重なったのではないかなあ、と思うのです。
ただその後も同じだったかというと、そうではありません。本人達はともかく、環境が許してくれませんでした。
CCまでは、ザックスがエアリスにどう接していたかは、ちっともわかりません。
けれどエアリスが、神羅にもいい人がいた、と言っていたのですから、いい人だったのだろうなあと。
実際蓋を開けてみれば、たしかにザックスはすっげいい男でした。嫉妬したくなるほどに。
けれども、いい人であったかというと、ちょっと待ったをかけたい心持ちです。
いくらセフィロスがいいと言ってくれたからといっても、お仕事ほっぽりだしちゃうのは、手放しで褒められません。
あれを見る限り、割と個人的な意志で仕事の選り好みもしていた可能性も大いにあります。
(元々彼は、戦争が終わってしまい英雄になるチャンスがなくなった、とはっきり言っちゃうくらいですし)
なにより、エアリスに関することに近付ける立場を、あえて使わないとこは、見逃せません。
様々な背景と事情がありますが、ザックスが古代種について調べることは、不可能ではなかったはず。
それでも、あえて触らずにいる。その最大の理由は、やはりエアリスにあると思うのです。
なぜなら、エアリスが、ザックスに何も語ろうとしなかったからです。
もちろん、日常にある楽しいことや、ちょっとびっくりしたことなど、たくさんたくさん話していたでしょう。
監視のことや、任務の際に触れた古代種という言葉を、ザックスはエアリスの前でけして口に出しません。
何かある、と理解した頃には、エアリスはもう、世界でたった一人の、ただの女の子になっていたからです。
ザックスは、エアリスが喜んでくれるのがうれしくて、もっと色々してやりたくなるという、ただの男でしたから。
エアリスが少しでも嫌がることは、絶対にしたくない。だって自分が嫌われたくないから。
そういう心理がいたって自然に働いたからこそ、ザックスも調べたりなんてことは、考えもしなかったはずです。
時が流れた後というのは、当然見通しもよくなっていますから、詮ないことも考えてしまいます。
悔しくて悔しくてしょうがないのが、ザックスがけして満足していたわけではなかった、ということです。
ツォンに後を頼むくらい(ザックスのこの卑怯さはすごく好きですが)、ザックスはエアリスを心配していました。
エアリスはしっかりしていますし、したたかさだって持っています。けれどもザックスには、ただの女の子でした。
まるで自分がいないとエアリスはだめなのだ、と言わんばかりの態度ではありませんか。
いつでも自分を必要とし頼ってほしいという欲を、ザックスはごく当たり前にエアリスに向けていたのです。
なんとも自分本位な考えです。肉食系ってきっとザックスのことを言うのでしょうね。
ただ、それこそが、ザックスがどんなにエアリスを好きでいるかの証明でもあります。
ザックスはほんとうにいい男だなあと、しみじみ思わずにいられません。
だからこそ、エアリスをしあわせにしてくれたらと、ハンカチを噛むわけで。
でも、ザックスとエアリスのしあわせな時間を思うと、とてもしあわせなのです。
夢でも構わないので、二人がしあわせでいてくれるなら、すごくすごくしあわせです。


  • 2010.11.09