■時計の針を盗んじゃう
もしこうだったら、と妄想するのは大変楽しく興奮に満ちております。
もしパオプの木になれたら、そりゃあもう毎日バラ色ハッピーうっきうきなのは間違いありません。
とまあ妄想まみれの毎日なのでありまして、近頃は7番目の弟子という妄執にとらわれまくりです。
すなわちっ、カイリちゃんが賢者アンセムの7番目の弟子だったら、ということですぐふぐふ。
ちなみに脳内(↓)ではお花畑にごめんなさいなほど妄想が組み上がっておりますとも。
絵@いちや
べりーさんきゅーなんだよ! おねえちゃんすっげすっげうれしいんだよ!
手前みそ全開でごめんなさいなのですが、シモーヌは妹の絵が、そりゃあもう! 大好きで。
さらに鉛筆だと好物度は倍率ドンなのでございます。鉛筆の、やわらかい線がすごくいいなあって思うのです。
なので妹にいとしいかわいいカイリを描いてもらえたら、もううれしくてっ。
ちなみに白衣はシモーヌと妹の趣味盛りだくさんですうひひ。タイツは、外せないっ!
余談にも程がありますが、当然えろすはいけるよねと盛り上がったわけです。そんな深夜2時50分。
レイディアントガーデンが滅びなければ、そうなっていたんだろうなあ、がデフォ思考回路です。
事実顔パスお花摘み放題のオプションつきだった衝撃は雷が落ちてくる並にすごかったです、ええ。
7番目の弟子を、アンセム様はナチュラルにひいきしまくりだと存じます。やりやがるぜあのじじいなら。
第むにゃむにゃ回穏便に養育権を奪取する云々会議とかやってるんだぜやべえやべえ。暴走する権力。
あとイエンツォは振り回されてるに全力で賛成です。15歳に振り回されている26歳はとても大好物です。
離籍しても舞台をがんばるとのことで、おれっちらは希望を捨てていません。内田ちゃん以外考えられません。
島っ子がいっしょに冒険するとこを見届けるまで、ゾンビになっても待っています。
BbSプレイメモは撤去しました。またもや中途半端になってしまい申し訳ありません。見通しが甘すぎました。
今後はこんな結果にならないよう、先を見据える力を養っていきます。本当に申し訳ありませんでした。
物語のために人が動くのではなく、人が動くから物語になるのではないか。
個人的には、そう感じられました。
最後のあれさえ、あれさえなければ…! 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって知っとるかぁああー!!!
アンケートには、支離滅裂な思いの丈をぶつけてきました。ぶっつけてきました。
余裕で字数オーバーしてましたがなぜか受け付けてもらえたので、びくびくしてました。
所感的なものもそのうち。目指せ、脱・愚痴まみれっ。テラがすごく好きなのです。
レイナ様からバトンいただきましたすっげすっげうれしいですありがとうございます!(*ノノ)
サイクスとカイリでとなると、シモーヌはついうっかり暴走してしまうわけでありますはい。
ついうっかりこぼれ話になっちゃう勢いなのでありますええ。
【指定バトン】
レイナ様、ありがとうございました!(´▽`*)
すっげすっげ楽しかったっす!
いやー、やっぱりサイクスとカイリが好きです。大好きです。妄想どんとこい!
しばらく不在にしていて申し訳ありませんでした。
シモーヌと妹は毎日元気に過ごしております。ご覧の通りぴんぴんです。
あたたかい一押しをいただく度に、ほんとうにうれしくて、めきめき元気になっております。
ひざまずいて直接お礼を申し上げたいのに、なぜかパソコンの中には入れないのですうぎぎぎ。
ほんとうにありがとうございます。見に来ていただけて、すっごくすっごくうれしいです。(*ノノ)
シモーヌはバターのようにでれでれしておりますうっへへへ。
もしパオプの木になれたら、そりゃあもう毎日バラ色ハッピーうっきうきなのは間違いありません。
とまあ妄想まみれの毎日なのでありまして、近頃は7番目の弟子という妄執にとらわれまくりです。
すなわちっ、カイリちゃんが賢者アンセムの7番目の弟子だったら、ということですぐふぐふ。
ちなみに脳内(↓)ではお花畑にごめんなさいなほど妄想が組み上がっておりますとも。
絵@いちやべりーさんきゅーなんだよ! おねえちゃんすっげすっげうれしいんだよ!
手前みそ全開でごめんなさいなのですが、シモーヌは妹の絵が、そりゃあもう! 大好きで。
さらに鉛筆だと好物度は倍率ドンなのでございます。鉛筆の、やわらかい線がすごくいいなあって思うのです。
なので妹にいとしいかわいいカイリを描いてもらえたら、もううれしくてっ。
ちなみに白衣はシモーヌと妹の趣味盛りだくさんですうひひ。タイツは、外せないっ!
余談にも程がありますが、当然えろすはいけるよねと盛り上がったわけです。そんな深夜2時50分。
レイディアントガーデンが滅びなければ、そうなっていたんだろうなあ、がデフォ思考回路です。
事実顔パスお花摘み放題のオプションつきだった衝撃は雷が落ちてくる並にすごかったです、ええ。
7番目の弟子を、アンセム様はナチュラルにひいきしまくりだと存じます。やりやがるぜあのじじいなら。
第むにゃむにゃ回穏便に養育権を奪取する云々会議とかやってるんだぜやべえやべえ。暴走する権力。
あとイエンツォは振り回されてるに全力で賛成です。15歳に振り回されている26歳はとても大好物です。
離籍しても舞台をがんばるとのことで、おれっちらは希望を捨てていません。内田ちゃん以外考えられません。
島っ子がいっしょに冒険するとこを見届けるまで、ゾンビになっても待っています。
BbSプレイメモは撤去しました。またもや中途半端になってしまい申し訳ありません。見通しが甘すぎました。
今後はこんな結果にならないよう、先を見据える力を養っていきます。本当に申し訳ありませんでした。
物語のために人が動くのではなく、人が動くから物語になるのではないか。
個人的には、そう感じられました。
最後のあれさえ、あれさえなければ…! 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって知っとるかぁああー!!!
アンケートには、支離滅裂な思いの丈をぶつけてきました。ぶっつけてきました。
余裕で字数オーバーしてましたがなぜか受け付けてもらえたので、びくびくしてました。
所感的なものもそのうち。目指せ、脱・愚痴まみれっ。テラがすごく好きなのです。
レイナ様からバトンいただきましたすっげすっげうれしいですありがとうございます!(*ノノ)
サイクスとカイリでとなると、シモーヌはついうっかり暴走してしまうわけでありますはい。
ついうっかりこぼれ話になっちゃう勢いなのでありますええ。
【指定バトン】
※指定者以外は絶対にやらないで下さい(いつ回ってくるか分からないバトンなので)。
※回してくれた人から貰った『指定』を『』に入れて書いて答える事。
指定『サイカイ』
1.最近思う『サイカイ』 ...出会い編はありですよね!
昨日まで当たり前にあった城壁は、アイザの疑いを深めるものになっていた。
周りをめぐりはじめた場所に戻ってから、再び城壁を見上げる。もう、何周したかも憶えていない。
薄曇りのまぶしくもない空に、アイザはうっとうしそうに目を細めた。
年寄りどもから飽きるほど聞かされた昔話が事実だとすれば、この土地を守る役割があるというのは、確かに納得できる。
だがそれは、年寄りども以上に、昔の話だ。
街の外で人がふっと消えてしまうという話が聞こえてきたとき、少年の脳裏にこの空にも届くほどの堅牢な城壁を思い浮かばせたのも、不思議なことではなかった。
つまり、今なおこの城壁が現存するはっきりとした理由があるのだ、というのがアイザの導き出した結論だった。
あのおそろしく頭の固い門番も、疑いをより深める手助けをしている。
いきなり現れ、しかしふつりと姿をけした化け物に対し、城が守りの気配を見せていたことも気に掛かった。
(隠したいものがあるのか?)
もう一度城壁周りをめぐってみようと歩き出したとき、首の裏に、いやな気配を感じた。
振り返って確かめる前に、植え込みの陰に身を隠す。城主の考えはさっぱり読めないが、この趣味だけはありがたい。
丁寧に剪定された枝に服を引っ掻けてしまわないように気を付けていると、足元でがさりと派手な音がした。
「しーっ、しずかに、みつかっちゃう!」
アイザは、思わず呆気にとられた。
どこでどうくっつけてきたのか、やわらかそうな髪に花びらをつけた幼い少女が、唇に指を当てている。
だが、あの門番の意味もなく肩をいからせた姿を見つけると、厄介な状況だったのをすぐに思い出した。
「邪魔だ、遊ぶなら他の場所へ行け」
「だめだめ、いまうごいたらみつかっちゃうもん」
「おまえの都合なんか関係ない、俺が見つかる方が厄介なんだ」
「もう! しずかにしないときこえちゃうよ」
カイリ、どこに隠れている、と呼ぶ声が聞こえると、幼い少女はぎくりと体をかたくした。
落ちつきなくそわそわとしているので、近寄られれば、潜んでいることが簡単にばれてしまう。
2.こんな『サイカイ』には感動 ...密着してるといいんだよ!
(くそ)
アイザは体を低くすると、腕の中に小さな身体を抱き込み、体全体で隠すように伏せる。
腕に枝がかすって痛かった。それでも、発見されるよりはずいぶんマシだ。
「静かにしていろ、身動きもするな」
小声でつぶやくと、ぬいぐるみのように大人しくなったので、アイザも内心ほっとした。
茂みの隙間から目をこらすと、門番の大男が視線を走らせているのが見えた。
どこか迷惑そうな様子に、アイザは眉を寄せる。
初めはともかく、以後はへまをしていない。へまをする可能性があるほうを考え、アイザは軽く舌打ちした。
「ちゃんとじっとしてるよ?」
幼い少女がすぐさま抗議の声をあげるので、腹を立てるのも中断しなければいけなかった。
「……口も動かすな」
小さな身体は熱でもあるんじゃないかと思うほどで、アイザは腹のあたりが熱くて仕方がなかった。
そのせいか、あの門番の男をやりすごすまでが、ひどく長く感じられる。
男がこちらに視線を向けたとき、背筋がすっと冷えた。だが男は、アイザ達が隠れているところを大股で通り過ぎてくれた。
なぜか花を束ねたものを持っていたようだが、いなくなってくれるなら何でもいい。
そろそろと立ち上がり、本当にいなくなったかを確かめる。もう裏手に回ってしまったのか、姿は見えなかった。
もう行け、と言おうとしたアイザは、びっくりした。うずくまったカイリの背中が、小刻みに震えている。
「おい、どうしたんだ?」
おどかしすぎたんだろうかと、あわてて小さな肩に手をかける。
ぷはあ、と水から上がったかのように、カイリが大きく息をついた。
「はあー、ちっそくするとこだったあ」
それから深呼吸を繰り返し息を整えると、カイリはくるりと振り返り、大きな瞳でアイザを見つめた。
「もういっちゃった? じゃ、ちがうとこにかくれなきゃね」
「……息をするなってことじゃない、しゃべるなって意味だ」
「ね、つぎはどこいく? うーん、うらにわならだいじょぶかな」
アイザは突然、何もかもがめんどくさくなった。
はきはきとしゃべる幼い子供の相手をしたことがないから、対処法だってさっぱりわからない。
しかも悪いことに、いつの間にか一緒に遊ぶことが決まっているらしい。そんなのはご免だった。
アイザは手を引いてその場を立ち去ろうとした。けれど、カイリは離れた手をすぐに捕まえてしまう。
「あ、そっちはあぶないよ、エレウスがいるからみつかっちゃう」
幼い少女の友達の名など知らないが、今頃探し回っているのだとすると気の毒にすら思う。全く厄介なことになったと、アイザは少年らしくない重い溜息をついた。
3.直感的な『サイカイ』 ...自分の意志をしっかり貫くとこが、似たもの同士!
「手を離せ。俺は遊んでたわけじゃないんだ」
「え?」
「たまたまおまえが来たから一緒に隠れてやっただけだ。かくれんぼなら友達とやるんだな」
「ひっどいなあ、かくれんぼなんてしてないよ」
カイリはぷりぷりしながら、アイザをきっとにらみあげた。
「私だって、あそんでたわけじゃないんだからね。見つかりたくないから、かくれただけだよ」
あの門番が探していたのは自分ではなかったのだと、アイザはようやく気付いた。
そういえば、カイリと呼んでいた気がする。なんてことはない、カイリとは、いきなり飛び込んできたこの少女のことだ。つまり自分は、わざわざ危険を冒して、追われているカイリをかばったということだ。
がっかりしたせいか、どっと疲れがおそってくる。今まで姿を隠していた場所に、体が勝手に座り込んでしまった。
それを見たカイリは、ここに隠れるものと思ったらしい。斥候宜しくめいっぱい背伸びをして、辺りをうかがっている。
「ん、へいきへいき、だれもいないよ」
きっちり報告して満足顔のカイリに、アイザは首だけで頷いた。
「……そうだろうな」
聞こえるのは遠くからのかすかな水音だけで、アイザには自分たち以外の気配は感じられなかった。
目の前にちょこんと腰を下ろしたカイリに、アイザは溜息をつくしかない。まったくもって妙な展開に、なんだか頭痛がしてきた。
「ディランがね、おうちにいろって言うんだ。そとはいまあぶないからって」
聞いてもいないのにしゃべりだしたカイリに、アイザはめんどくさそうに答えた。
「なら家に帰れ」
同じことを言われたのが気に入らないのだろう。カイリはむきになって言い返した。
「やだ、まだかえらないよ。アンセムさまにわたしてからじゃないと」
「アンセム?」
「そ、うまくつくれたからもっていってあげるの」
青灰色の瞳に、探るような色が現れる。
アンセムという名は、子供でも知っている。おいそれと近づけないことも、アイザは知っていた。
「おまえは城に入ったことがあるのか? どうやって入った? 中はどうなっている?」
「んんとね、とってもひろいの。お花と、本もいっぱいあるよ」
アイザはすぐに自分の間違いに気付いた。カイリは、こちらが知りたいことを、きちんと噛み砕いて伝えなければ、何もわからない子供だ。
「じゃあ他に…おまえから見て、普通じゃないものはなかったか?」
「ふつう、じゃないって、なあに?」
困った顔でそう返され、サイクスは言葉に詰まった。
探しているのは、城壁が隠している理由そのもの、だ。それがなんなのかは、想像したことがない。
そう自覚してしまうと、自分が抱いている疑いが、なんの根拠もないものに感じられた。
「ねえ、ねえってば、ふつうじゃないってどういうこと?」
アイザはゆっくりと首を振った。
「説明しようがない」
「どうして?」
「俺も見たことがないからだ」
「どうして?」
「……追い出されるからだ」
「どうして?」
「……」
「どうして」攻撃に、アイザはうんざりした。
身を乗り出して話の続きを待っているカイリを軽く押し戻す。それでも目を輝かせているので、アイザは閉口するしかなかった。
(軽率だったな)
何がカイリの興味を引いたのかは知らないが、尋ねたことをアイザは悔やんだ。
相手が子供だとしても、どこからひびが入るかわからない。ましてやアンセムに近いのなら、尚更警戒するべきだったのだ。
急に黙り込んでしまったアイザに、カイリは首をかしげた。
「おしろに行きたいの?」
痛いところを突かれた気がして、アイザはカイリを見つめる目を少しだけ細めた。
行きたくないといえば、嘘になる。
町はもう探り尽くしたし、疑いに決着をつけてくれるものは、何一つ見つからなかった。だからこそ、アイザは城壁の中を知りたいと思ったのだ。たとえ何も見つけられなかったとしても、落胆はしない。
疑いはあくまでも手段であり、自分たちを拒む城壁を越えることが、アイザの目的だったからだ。
疑問を片付けてくれるはずの城壁を見上げると、昨日までよりぶ厚く見える。心がますます熱くなるのが、自分でもわかった。
「じゃ、いっしょに行こ!」
ぴょんと元気よく立ち上がったカイリは、アイザの腕を引っ張った。相変わらず体温が高い。
すっかり仲間を見つけた気でいるカイリに、アイザは呆れるしかなかった。子供というのは、なぜこうも思い込みが激しいのだろう。
「どうしてそうなる」
「だって、行きたいんでしょ? ね、いっしょに行こうよ、私があんないしてあげる」
アイザは一瞬だけ、話に乗ろうかと考えた。
だがそれを打ち消したのは、うれしそうに腕を引っ張るカイリだった。
カイリがアンセム慕う気持ちは、自分にはない。むしろ不信といっていい。
何も疑っていないカイリといると、自分までも欺くようで、気分が悪かった。
「別にいい」
首を振って断ると、アイザも立ち上がり服についた草をはらった。
「行かないの?」
「ああ」
どうして、と聞かれる前にアイザは話をそらした。わかりやすいほどしょんぼりされたことが、そうさせたのかもしれない。
「それよりいいのか、渡すものがあるんだろ」
4.好きな『サイカイ』 ...カイリにわかりにくくやさしいといいな!
カイリはあっと顔を上げた。
「そう、これ!」
元気よく頭に手をやったカイリは、そのままぺたぺたと自分の髪をさわり、みるみる意気消沈していく。
アイザは手を伸ばすと、やわらかい髪から花びらをつまみ上げた。
「落としたらしいな」
今度はうっとなったカイリのてのひらに、つまみ上げたばかりの花びらを落とす。
「どこで、おっことしちゃったんだろ。アンセムさまにあげたかったのに」
ひどく悲しそうにしているくせに、泣き出さないのがサイクスは不思議だった。子供のくせに、と思う。
小さなてのひらが大切そうに花びらを閉じ込めたのを見届けてから、アイザは植え込みから出た。
まだしょんぼりしているカイリを振り向くと、
「ついてこい」
とだけ言って、歩き出した。
気にかけたことはないが、今日のような薄曇りは、花の多い季節にふと訪れる。湿っぽさのある空気の中に混じったかすかな花の香りは、アイザの指の先に残る感触を浮かび上がらせるようだった。それが花びらのものかは、わからなかった。
ぱたぱたと走る音がうるさくて後ろを振り返ると、カイリは、なあに? という顔をする。歩調を緩めてみると、足音は普通になった。
「あ、もしかして、おしろに行くの?」
「黙ってついてこい」
「けち」
城壁の正門までの短い距離も、アイザは面倒を早く済ませることばかり考えていた。
門を守っている男達の顔に浮かんだ怪訝そうな表情に、アイザは少しだけ落胆した。子供が何しに舞い戻ってきた、という顔だったからだ。
「許可のない者は客人として扱わないと言ったはずだが」
アイザに向かって門番の一人(カイリを探していたほうでないから、こちらがエレウスだろう)が低い声で言うと、アイザの後ろに隠れているカイリがいち早く口を開いた。
「わたしのお客さまでも?」
余計な口を出すなと言わんばかりにもう一人(こちらがディランだろうと、アイザは先程のかくれんぼを思い出していた)が厳しい視線を向けると、カイリはさっと顔を引っ込めた。もちろんかわいく舌を出してみせるのを忘れていない。
二人の男は小さな子供には充分強面のはずだが、ちっともひるんだ様子がないので、アイザは感心してしまうところだった。
自分を盾にしているカイリにちらりと視線を落としてから、アイザは真正面を向いた。
「誰も迎え入れてもらおうなんて思っていない。落とし物をもう一つ届けに来ただけだ」
礼儀知らずの物言いに、ディランはかすかに眉を動かした。
「殊勝な心掛けだな。探検ごっこは諦めたということか?」
「子供の遊びに目くじらを立てられたからな。懲りない方がおかしい」
「利いた風な口を」
ディランの声には侮った響きがあったが、同時におかしそうに口元を歪めている。アイザはそれをじっと眺めてから、頭が固いという印象は、自分の中で半分ほど取り消しておいた。
「それで、落とし物というのはこれか」
無骨な手が差し出した花冠に、カイリが顔をかがやかせるのが見なくてもわかった。花を束ねたものはこれだったのかと、アイザはようやく納得した。
花冠を受け取りカイリの頭にのせてやる。
「確かに届けたからな。ちゃんとアンセムに渡してやれ」
アイザの態度にエレウスは苦い表情を浮かべたが、それは一瞬のことだった。
「面倒をかけたようだな。礼を言おう」
小さな背中を押しやると、さっそくカイリはエレウスに飛びつき、元気よくしゃべりはじめた。
ようやく面倒が終わったと、これみよがしに溜息をつく。
「どうして目を離した。外は、危ないんじゃなかったのか?」
「子供が関わることではない。さあ、お前も家に戻れ。今後は不用意に城の周りをうろつくな」
ふん、とアイザは短く鼻を鳴らした。
アイザにだって、今更こそこそと忍び込むつもりはない。ただ、納得したわけではなかった。疑いはいまも胸の底にくすぶったままで、到底そのままにしておけるものではない。
くるりと踵を返し、城壁に背を向ける。
育ってきた町に一歩戻ると、少しだけ息がしやすくなったようだった。城を守る大きな城壁に無意識のうちに気圧されていたのかと、アイザは自分でもどう扱っていいかわからない感覚になった。
「またね」
落とし物が、その小さな手を振っている。けれど、アイザはもう振り返らなかった。
5.こんな『サイカイ』は嫌だ ...ラブはうれしいけど困っちゃう!
寒々しい回廊と繋ぐ階段の陰になった場所で、サイクスは小さく縮こまっているのを見つけた。
「日陰にいるほうが落ち着くらしいな」
あからさまな嫌味に、カイリはきっと顔を上げる。
「暗くて寒くて居心地悪いけど、隠れるにはぴったりの場所だよ」
「どうだかな」
「気付かなかった? 私、朝からずっとここにいるけど、誰にも見つからなかったよ」
「そうか」
元々探してもいないし、探す気もない。通りかかった際に気配を感じたから覗き込んだだけだった。
「ならそのままいたらどうだ」
「言われなくったって!」
ぷいと顔を背けたカイリは、悔しそうにしているが、涙をこらえている様子はなかった。
何度も脱走を試みるのは、拾ってきた猫が居着かないのとどこか似ている。
今度のことも繰り返されてきたことで、逃げる手立てがないからと隠れるその幼稚さが、サイクスを呆れさせた。
相手をするのさえ面倒になる。
小さくくしゃみをするのが聞こえ、サイクスは重々しい溜息をついた。
眠り込んだのを回収するのも、もう何度目かはわからない。
6.この世に『サイカイ』がいなかったら
サイクスはカイリを心から愛していると言い続けて早約3年。
妹の賛同を得、同志の方がいるしあわせに、シモーヌはしめしめとなっているわけですうひひひ。
それはもう、鼻息荒く興奮しちゃう境地ですとも。
かわいいカイリちゃんにねちねち絡むこのグンパツに顔が好みな美男子は誰じゃい! から始まりまして、
現在に至るわけですはい。陰険参謀さんと我らがプリンセスはイケると毎日ガッツポーズです。
なぜこんなにも悶えてモエモエなのか。
前述のとおり、サイクスがカイリを愛している、に尽きるわけなのです。
人としてのサイクスと、根本から違う人に触れるカイリの図は、大変興味深く思考を禁じ得ません。
年の差と体格差はもちろんとして、監禁という世間一般ではNGワードな行為があったのも見逃せません。
ぶっちゃけて言っちゃえば、大変好みだったわけです。拉致監禁ラブは新しい境地です。
唯一誤算があるとすれば、サイクスがどれほどカイリを愛しているかを訴え続けた結果、
否定的だった妹が話に乗ってくれるようになったことでしょうか。
ミイラ取りがミイラになっちゃうほど、サイクスとカイリはモエちゃうわけですぐふぐふ。
ただ、同郷というのは、とても不自然な気がします。モエ的には大変おいしゅうございますけれども。
個人的な印象を多大に含めてはいますが、お上のやることはようわからんということでひとつ。
7.次に回す6人(『指定』付きで)
ここはお好みのものをおひとつ。というわけで、拾って下さるとシモーヌ大変喜びますはあはあ。
※回してくれた人から貰った『指定』を『』に入れて書いて答える事。
指定『サイカイ』
1.最近思う『サイカイ』 ...出会い編はありですよね!
昨日まで当たり前にあった城壁は、アイザの疑いを深めるものになっていた。
周りをめぐりはじめた場所に戻ってから、再び城壁を見上げる。もう、何周したかも憶えていない。
薄曇りのまぶしくもない空に、アイザはうっとうしそうに目を細めた。
年寄りどもから飽きるほど聞かされた昔話が事実だとすれば、この土地を守る役割があるというのは、確かに納得できる。
だがそれは、年寄りども以上に、昔の話だ。
街の外で人がふっと消えてしまうという話が聞こえてきたとき、少年の脳裏にこの空にも届くほどの堅牢な城壁を思い浮かばせたのも、不思議なことではなかった。
つまり、今なおこの城壁が現存するはっきりとした理由があるのだ、というのがアイザの導き出した結論だった。
あのおそろしく頭の固い門番も、疑いをより深める手助けをしている。
いきなり現れ、しかしふつりと姿をけした化け物に対し、城が守りの気配を見せていたことも気に掛かった。
(隠したいものがあるのか?)
もう一度城壁周りをめぐってみようと歩き出したとき、首の裏に、いやな気配を感じた。
振り返って確かめる前に、植え込みの陰に身を隠す。城主の考えはさっぱり読めないが、この趣味だけはありがたい。
丁寧に剪定された枝に服を引っ掻けてしまわないように気を付けていると、足元でがさりと派手な音がした。
「しーっ、しずかに、みつかっちゃう!」
アイザは、思わず呆気にとられた。
どこでどうくっつけてきたのか、やわらかそうな髪に花びらをつけた幼い少女が、唇に指を当てている。
だが、あの門番の意味もなく肩をいからせた姿を見つけると、厄介な状況だったのをすぐに思い出した。
「邪魔だ、遊ぶなら他の場所へ行け」
「だめだめ、いまうごいたらみつかっちゃうもん」
「おまえの都合なんか関係ない、俺が見つかる方が厄介なんだ」
「もう! しずかにしないときこえちゃうよ」
カイリ、どこに隠れている、と呼ぶ声が聞こえると、幼い少女はぎくりと体をかたくした。
落ちつきなくそわそわとしているので、近寄られれば、潜んでいることが簡単にばれてしまう。
2.こんな『サイカイ』には感動 ...密着してるといいんだよ!
(くそ)
アイザは体を低くすると、腕の中に小さな身体を抱き込み、体全体で隠すように伏せる。
腕に枝がかすって痛かった。それでも、発見されるよりはずいぶんマシだ。
「静かにしていろ、身動きもするな」
小声でつぶやくと、ぬいぐるみのように大人しくなったので、アイザも内心ほっとした。
茂みの隙間から目をこらすと、門番の大男が視線を走らせているのが見えた。
どこか迷惑そうな様子に、アイザは眉を寄せる。
初めはともかく、以後はへまをしていない。へまをする可能性があるほうを考え、アイザは軽く舌打ちした。
「ちゃんとじっとしてるよ?」
幼い少女がすぐさま抗議の声をあげるので、腹を立てるのも中断しなければいけなかった。
「……口も動かすな」
小さな身体は熱でもあるんじゃないかと思うほどで、アイザは腹のあたりが熱くて仕方がなかった。
そのせいか、あの門番の男をやりすごすまでが、ひどく長く感じられる。
男がこちらに視線を向けたとき、背筋がすっと冷えた。だが男は、アイザ達が隠れているところを大股で通り過ぎてくれた。
なぜか花を束ねたものを持っていたようだが、いなくなってくれるなら何でもいい。
そろそろと立ち上がり、本当にいなくなったかを確かめる。もう裏手に回ってしまったのか、姿は見えなかった。
もう行け、と言おうとしたアイザは、びっくりした。うずくまったカイリの背中が、小刻みに震えている。
「おい、どうしたんだ?」
おどかしすぎたんだろうかと、あわてて小さな肩に手をかける。
ぷはあ、と水から上がったかのように、カイリが大きく息をついた。
「はあー、ちっそくするとこだったあ」
それから深呼吸を繰り返し息を整えると、カイリはくるりと振り返り、大きな瞳でアイザを見つめた。
「もういっちゃった? じゃ、ちがうとこにかくれなきゃね」
「……息をするなってことじゃない、しゃべるなって意味だ」
「ね、つぎはどこいく? うーん、うらにわならだいじょぶかな」
アイザは突然、何もかもがめんどくさくなった。
はきはきとしゃべる幼い子供の相手をしたことがないから、対処法だってさっぱりわからない。
しかも悪いことに、いつの間にか一緒に遊ぶことが決まっているらしい。そんなのはご免だった。
アイザは手を引いてその場を立ち去ろうとした。けれど、カイリは離れた手をすぐに捕まえてしまう。
「あ、そっちはあぶないよ、エレウスがいるからみつかっちゃう」
幼い少女の友達の名など知らないが、今頃探し回っているのだとすると気の毒にすら思う。全く厄介なことになったと、アイザは少年らしくない重い溜息をついた。
3.直感的な『サイカイ』 ...自分の意志をしっかり貫くとこが、似たもの同士!
「手を離せ。俺は遊んでたわけじゃないんだ」
「え?」
「たまたまおまえが来たから一緒に隠れてやっただけだ。かくれんぼなら友達とやるんだな」
「ひっどいなあ、かくれんぼなんてしてないよ」
カイリはぷりぷりしながら、アイザをきっとにらみあげた。
「私だって、あそんでたわけじゃないんだからね。見つかりたくないから、かくれただけだよ」
あの門番が探していたのは自分ではなかったのだと、アイザはようやく気付いた。
そういえば、カイリと呼んでいた気がする。なんてことはない、カイリとは、いきなり飛び込んできたこの少女のことだ。つまり自分は、わざわざ危険を冒して、追われているカイリをかばったということだ。
がっかりしたせいか、どっと疲れがおそってくる。今まで姿を隠していた場所に、体が勝手に座り込んでしまった。
それを見たカイリは、ここに隠れるものと思ったらしい。斥候宜しくめいっぱい背伸びをして、辺りをうかがっている。
「ん、へいきへいき、だれもいないよ」
きっちり報告して満足顔のカイリに、アイザは首だけで頷いた。
「……そうだろうな」
聞こえるのは遠くからのかすかな水音だけで、アイザには自分たち以外の気配は感じられなかった。
目の前にちょこんと腰を下ろしたカイリに、アイザは溜息をつくしかない。まったくもって妙な展開に、なんだか頭痛がしてきた。
「ディランがね、おうちにいろって言うんだ。そとはいまあぶないからって」
聞いてもいないのにしゃべりだしたカイリに、アイザはめんどくさそうに答えた。
「なら家に帰れ」
同じことを言われたのが気に入らないのだろう。カイリはむきになって言い返した。
「やだ、まだかえらないよ。アンセムさまにわたしてからじゃないと」
「アンセム?」
「そ、うまくつくれたからもっていってあげるの」
青灰色の瞳に、探るような色が現れる。
アンセムという名は、子供でも知っている。おいそれと近づけないことも、アイザは知っていた。
「おまえは城に入ったことがあるのか? どうやって入った? 中はどうなっている?」
「んんとね、とってもひろいの。お花と、本もいっぱいあるよ」
アイザはすぐに自分の間違いに気付いた。カイリは、こちらが知りたいことを、きちんと噛み砕いて伝えなければ、何もわからない子供だ。
「じゃあ他に…おまえから見て、普通じゃないものはなかったか?」
「ふつう、じゃないって、なあに?」
困った顔でそう返され、サイクスは言葉に詰まった。
探しているのは、城壁が隠している理由そのもの、だ。それがなんなのかは、想像したことがない。
そう自覚してしまうと、自分が抱いている疑いが、なんの根拠もないものに感じられた。
「ねえ、ねえってば、ふつうじゃないってどういうこと?」
アイザはゆっくりと首を振った。
「説明しようがない」
「どうして?」
「俺も見たことがないからだ」
「どうして?」
「……追い出されるからだ」
「どうして?」
「……」
「どうして」攻撃に、アイザはうんざりした。
身を乗り出して話の続きを待っているカイリを軽く押し戻す。それでも目を輝かせているので、アイザは閉口するしかなかった。
(軽率だったな)
何がカイリの興味を引いたのかは知らないが、尋ねたことをアイザは悔やんだ。
相手が子供だとしても、どこからひびが入るかわからない。ましてやアンセムに近いのなら、尚更警戒するべきだったのだ。
急に黙り込んでしまったアイザに、カイリは首をかしげた。
「おしろに行きたいの?」
痛いところを突かれた気がして、アイザはカイリを見つめる目を少しだけ細めた。
行きたくないといえば、嘘になる。
町はもう探り尽くしたし、疑いに決着をつけてくれるものは、何一つ見つからなかった。だからこそ、アイザは城壁の中を知りたいと思ったのだ。たとえ何も見つけられなかったとしても、落胆はしない。
疑いはあくまでも手段であり、自分たちを拒む城壁を越えることが、アイザの目的だったからだ。
疑問を片付けてくれるはずの城壁を見上げると、昨日までよりぶ厚く見える。心がますます熱くなるのが、自分でもわかった。
「じゃ、いっしょに行こ!」
ぴょんと元気よく立ち上がったカイリは、アイザの腕を引っ張った。相変わらず体温が高い。
すっかり仲間を見つけた気でいるカイリに、アイザは呆れるしかなかった。子供というのは、なぜこうも思い込みが激しいのだろう。
「どうしてそうなる」
「だって、行きたいんでしょ? ね、いっしょに行こうよ、私があんないしてあげる」
アイザは一瞬だけ、話に乗ろうかと考えた。
だがそれを打ち消したのは、うれしそうに腕を引っ張るカイリだった。
カイリがアンセム慕う気持ちは、自分にはない。むしろ不信といっていい。
何も疑っていないカイリといると、自分までも欺くようで、気分が悪かった。
「別にいい」
首を振って断ると、アイザも立ち上がり服についた草をはらった。
「行かないの?」
「ああ」
どうして、と聞かれる前にアイザは話をそらした。わかりやすいほどしょんぼりされたことが、そうさせたのかもしれない。
「それよりいいのか、渡すものがあるんだろ」
4.好きな『サイカイ』 ...カイリにわかりにくくやさしいといいな!
カイリはあっと顔を上げた。
「そう、これ!」
元気よく頭に手をやったカイリは、そのままぺたぺたと自分の髪をさわり、みるみる意気消沈していく。
アイザは手を伸ばすと、やわらかい髪から花びらをつまみ上げた。
「落としたらしいな」
今度はうっとなったカイリのてのひらに、つまみ上げたばかりの花びらを落とす。
「どこで、おっことしちゃったんだろ。アンセムさまにあげたかったのに」
ひどく悲しそうにしているくせに、泣き出さないのがサイクスは不思議だった。子供のくせに、と思う。
小さなてのひらが大切そうに花びらを閉じ込めたのを見届けてから、アイザは植え込みから出た。
まだしょんぼりしているカイリを振り向くと、
「ついてこい」
とだけ言って、歩き出した。
気にかけたことはないが、今日のような薄曇りは、花の多い季節にふと訪れる。湿っぽさのある空気の中に混じったかすかな花の香りは、アイザの指の先に残る感触を浮かび上がらせるようだった。それが花びらのものかは、わからなかった。
ぱたぱたと走る音がうるさくて後ろを振り返ると、カイリは、なあに? という顔をする。歩調を緩めてみると、足音は普通になった。
「あ、もしかして、おしろに行くの?」
「黙ってついてこい」
「けち」
城壁の正門までの短い距離も、アイザは面倒を早く済ませることばかり考えていた。
門を守っている男達の顔に浮かんだ怪訝そうな表情に、アイザは少しだけ落胆した。子供が何しに舞い戻ってきた、という顔だったからだ。
「許可のない者は客人として扱わないと言ったはずだが」
アイザに向かって門番の一人(カイリを探していたほうでないから、こちらがエレウスだろう)が低い声で言うと、アイザの後ろに隠れているカイリがいち早く口を開いた。
「わたしのお客さまでも?」
余計な口を出すなと言わんばかりにもう一人(こちらがディランだろうと、アイザは先程のかくれんぼを思い出していた)が厳しい視線を向けると、カイリはさっと顔を引っ込めた。もちろんかわいく舌を出してみせるのを忘れていない。
二人の男は小さな子供には充分強面のはずだが、ちっともひるんだ様子がないので、アイザは感心してしまうところだった。
自分を盾にしているカイリにちらりと視線を落としてから、アイザは真正面を向いた。
「誰も迎え入れてもらおうなんて思っていない。落とし物をもう一つ届けに来ただけだ」
礼儀知らずの物言いに、ディランはかすかに眉を動かした。
「殊勝な心掛けだな。探検ごっこは諦めたということか?」
「子供の遊びに目くじらを立てられたからな。懲りない方がおかしい」
「利いた風な口を」
ディランの声には侮った響きがあったが、同時におかしそうに口元を歪めている。アイザはそれをじっと眺めてから、頭が固いという印象は、自分の中で半分ほど取り消しておいた。
「それで、落とし物というのはこれか」
無骨な手が差し出した花冠に、カイリが顔をかがやかせるのが見なくてもわかった。花を束ねたものはこれだったのかと、アイザはようやく納得した。
花冠を受け取りカイリの頭にのせてやる。
「確かに届けたからな。ちゃんとアンセムに渡してやれ」
アイザの態度にエレウスは苦い表情を浮かべたが、それは一瞬のことだった。
「面倒をかけたようだな。礼を言おう」
小さな背中を押しやると、さっそくカイリはエレウスに飛びつき、元気よくしゃべりはじめた。
ようやく面倒が終わったと、これみよがしに溜息をつく。
「どうして目を離した。外は、危ないんじゃなかったのか?」
「子供が関わることではない。さあ、お前も家に戻れ。今後は不用意に城の周りをうろつくな」
ふん、とアイザは短く鼻を鳴らした。
アイザにだって、今更こそこそと忍び込むつもりはない。ただ、納得したわけではなかった。疑いはいまも胸の底にくすぶったままで、到底そのままにしておけるものではない。
くるりと踵を返し、城壁に背を向ける。
育ってきた町に一歩戻ると、少しだけ息がしやすくなったようだった。城を守る大きな城壁に無意識のうちに気圧されていたのかと、アイザは自分でもどう扱っていいかわからない感覚になった。
「またね」
落とし物が、その小さな手を振っている。けれど、アイザはもう振り返らなかった。
5.こんな『サイカイ』は嫌だ ...ラブはうれしいけど困っちゃう!
寒々しい回廊と繋ぐ階段の陰になった場所で、サイクスは小さく縮こまっているのを見つけた。
「日陰にいるほうが落ち着くらしいな」
あからさまな嫌味に、カイリはきっと顔を上げる。
「暗くて寒くて居心地悪いけど、隠れるにはぴったりの場所だよ」
「どうだかな」
「気付かなかった? 私、朝からずっとここにいるけど、誰にも見つからなかったよ」
「そうか」
元々探してもいないし、探す気もない。通りかかった際に気配を感じたから覗き込んだだけだった。
「ならそのままいたらどうだ」
「言われなくったって!」
ぷいと顔を背けたカイリは、悔しそうにしているが、涙をこらえている様子はなかった。
何度も脱走を試みるのは、拾ってきた猫が居着かないのとどこか似ている。
今度のことも繰り返されてきたことで、逃げる手立てがないからと隠れるその幼稚さが、サイクスを呆れさせた。
相手をするのさえ面倒になる。
小さくくしゃみをするのが聞こえ、サイクスは重々しい溜息をついた。
眠り込んだのを回収するのも、もう何度目かはわからない。
6.この世に『サイカイ』がいなかったら
サイクスはカイリを心から愛していると言い続けて早約3年。
妹の賛同を得、同志の方がいるしあわせに、シモーヌはしめしめとなっているわけですうひひひ。
それはもう、鼻息荒く興奮しちゃう境地ですとも。
かわいいカイリちゃんにねちねち絡むこのグンパツに顔が好みな美男子は誰じゃい! から始まりまして、
現在に至るわけですはい。陰険参謀さんと我らがプリンセスはイケると毎日ガッツポーズです。
なぜこんなにも悶えてモエモエなのか。
前述のとおり、サイクスがカイリを愛している、に尽きるわけなのです。
人としてのサイクスと、根本から違う人に触れるカイリの図は、大変興味深く思考を禁じ得ません。
年の差と体格差はもちろんとして、監禁という世間一般ではNGワードな行為があったのも見逃せません。
ぶっちゃけて言っちゃえば、大変好みだったわけです。拉致監禁ラブは新しい境地です。
唯一誤算があるとすれば、サイクスがどれほどカイリを愛しているかを訴え続けた結果、
否定的だった妹が話に乗ってくれるようになったことでしょうか。
ミイラ取りがミイラになっちゃうほど、サイクスとカイリはモエちゃうわけですぐふぐふ。
ただ、同郷というのは、とても不自然な気がします。モエ的には大変おいしゅうございますけれども。
個人的な印象を多大に含めてはいますが、お上のやることはようわからんということでひとつ。
7.次に回す6人(『指定』付きで)
ここはお好みのものをおひとつ。というわけで、拾って下さるとシモーヌ大変喜びますはあはあ。
レイナ様、ありがとうございました!(´▽`*)
すっげすっげ楽しかったっす!
いやー、やっぱりサイクスとカイリが好きです。大好きです。妄想どんとこい!
しばらく不在にしていて申し訳ありませんでした。
シモーヌと妹は毎日元気に過ごしております。ご覧の通りぴんぴんです。
あたたかい一押しをいただく度に、ほんとうにうれしくて、めきめき元気になっております。
ひざまずいて直接お礼を申し上げたいのに、なぜかパソコンの中には入れないのですうぎぎぎ。
ほんとうにありがとうございます。見に来ていただけて、すっごくすっごくうれしいです。(*ノノ)
シモーヌはバターのようにでれでれしておりますうっへへへ。
- 2010.03.21